岳陽楼

岳陽楼は湖南省岳陽市古城の西門城壁上に位置し、洞庭湖を見下ろし、前方には君山島を望む。古来より、「洞庭は天下の水、岳陽は天下の楼」と称えられている。岳陽楼は、清朝光緒6年(1880年)の大改修後の建築様式に基づいて整備保存され、高さ19.42m、幅17.24m、奥行14.54m、敷地面積25.66平方mである。建物の主体はすべて木材構造で、抬梁(タイリャン)式と穿斗(チュアンドウ)式を結合した建築形式で構成される。その特徴は以下の3つである。1つめは、楼全体が直径46 cmの楠の柱4本、縁側の柱12本と軒の柱20本に支えられていること。2つめは、屋根が武将の兜の形をしており、国内でこの一例しかないこと。3つめは、最上階の3階の屋根の軒先は首を上げ空に向かうようになっており、折り重なった斗栱(ときょう。建築物の柱上にあって軒を支える部分)の意匠は精巧で、かつ屋根飾りの動物は生き生きとしており、2階の廊下部分もまた緻密に造られていること。繊細な細工が施され、厳格かつ重厚な建築構造をしており、中国の古代建築において貴重な財産である。

新碑廊

七星碑廊は、全長240mで、北斗七星の配列を模し、空から俯瞰すると金の鍵の形に見えるよう設計されている。50人近くの古代の大家の作品を所蔵し、大変価値のあるものである。

五朝楼観

唐、宋、元、明、清朝の各時代によって風格が異なった5つの岳陽楼を、青銅鋳造で縮小再現した。再現された5つの岳陽楼の周囲には水路が張り巡らされ、高楼は碧水に臨み、静と動、剛と柔を併せ持っている。5つの岳陽楼はいずれも各王朝時代の岳陽楼の特徴を模して建てられ、すべてH 78黄銅で造られた。

君山島

君山島は、古代においては洞庭山、湘山、有縁山と呼ばれた。“八百里洞庭湖”の中にある島で、“千古名楼岳陽楼”とは向かい合うように位置している。面積は0.96平方km、72の峰によって構成され、国指定の名勝となっている。島には遺跡がとても多く、『巴陵県志』によると、もともとは36亭、48廟、5井戸、4台があり、清朝末以降は荒廃が進んでいたが、現在は、二妃墓、湘妃祠、柳毅井、伝書亭、朗吟亭、酒香亭、楊幺寨、龍涎井、飛来鐘などが修復されている。また、新たに洞庭山荘、茶楼、ホテルなどが建設され、赤色の軒と青色の瓦が、精巧かつ上品で、独特な趣を醸し出している。更には、島には特別な竹が生息している。君山島は、「洞庭茶島」とも称され、特産の銀針茶は、唐朝時代には献上品として皇帝専用となり、国際世界博覧会で金賞も受賞した。

LOCATION

湖南省岳陽市の西城の門頭に位置して、洞庭湖に寄りかかって、三国の時期に建てられました。